千葉大学 博士課程教育リーディングプログラム:免疫システム調節治療学推進リーダー養成プログラム

English

イベント

治療学実習 RIKEN IMS Summer Program 2015 [RISP2015] (2015年6月12日ー同年6月17日) 報告書 : 3期生 生物薬剤学 薄田 健史

【研修要約】
RIKEN IMS International Summer Programは理化学研究所の横浜研究所において、4日間にわたって行われた研修である。内容としては、海外からの優秀なポストドクターの方々もしくは博士課程の学生たちと交じりながら、免疫学を代表する御高名な先生方のレクチャーを受講したり、参加者が行っている研究内容を発表し合ったりというものであった。また、普段滅多に英語を話すことが無い中、本研修では数多くの参加者と国際交流を行う機会にも恵まれ、非常に有意義な経験をすることが出来たと感じている。それに加えて、筆者自身はポスター・口頭発表の両方を行う機会を与えていただけたので、英語発表のスキルのブラッシュアップにもつながったと確信している。

【印象的な研修内容】
全く免疫学に知識が無い状態で今回臨んだ中で、最も印象的だった発表は、”Immune cell-targeted nanoparticles – implications for improved HIV-1 vaccines” (C6, Joshua J. Glass)であった。彼の研究内容は、CD4陽性T細胞・ CD19陽性B細胞・樹状細胞などをターゲットとしたワクチン接種の奏効率向上を達成するためのDDS(ドラッグデリバリーシステム)開発であった。具体的には、カベオリン1と呼ばれる膜タンパク質を主成分とするナノ粒子表面に複数のIgG抗体を生やすことで、本ナノ粒子が目的のCD4陽性T細胞やCD19陽性B細胞などのリンパ球に非特異かつ効率的に結合できるようになるといった原理を利用したものであった。本研究によって、(1)ワクチン接種回数の減数化が医療費の削減につながること(2)難治性疾患につながるHIVに対する効率的なワクチンが多くの命を救うことにつながること、が期待されると彼は熱く語っていた。

 

SUSUKIDA (RISP2015) xx.png

本研究のスキーム図

【研究活動への展開について】
私の現在の研究テーマは、「膜タンパク質の特異的内在化を利用した新規ノックダウン法の開発」であり、抗体を使って標的物質に対して何かを行う研究であるといった点では彼と同じある。ただ、異なる点は、私の研究では特異的なノックダウンといった”排除”を目的としている一方で、彼の研究では非特異的な結合による治療の効率化といった” 受容”を目的としているため、全く正反対の理由で抗体を利用していることにある。特に、ワクチン接種効率の向上に関するDDSというのはあまり例がなく、薬剤学の中でも最新の動向を本プログラムで学べたことは非常に有益であった。現在は細胞外からの抗体の結合による膜タンパク質の内在化を狙ったアプローチを行っているが、彼の研究のエッセンス(ナノ粒子は主要成分であるカベオリン1によって細胞内にエンドサイトーシス輸送される)を利用すれば、細胞内からのアプローチもゆくゆくは可能になるかもしれないと考えている。

SUSUKIDA.png

筆者が行ったポスター発表の様子


« 戻る

↑ページ先頭へ戻る