千葉大学 博士課程教育リーディングプログラム:免疫システム調節治療学推進リーダー養成プログラム

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2018年度 海外自主研修:マルセイユ研修(2018年10月30日ー12月3日)

リーディング大学院では、学生の自主的な取り組みを大いに推奨するため、海外自主研修を実施している。これは、学生自らが交渉・企画して行う研修で、グローバルリーダーに必要な多角的な力や俯瞰力を醸成するために、学生を世界の最前線に送り出し、グローバルな人材に育てることが目的である。今年度実施された研修概要は以下の通りである。

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参加者:栗林和華子(リーディング大学院プログラム 4期生)

日 時:平成30年10月30日(火) - 12月3日(月)
場 所:Cancer Research Center of Marseille (CRCM), Marseille, France
受入先責任者:Prof. Estelle Duprez

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目 的:本研修の目的は、造血システムにおけるエピジェネティックな制御機構の網羅的解析において世界を牽引する成果を上げている研修先の研究室を訪問し、意見交換や実験、解析技術を習得し、更に共同研究を進めることで、申請者の研究テーマである造血幹細胞の加齢変化における分子機構の解明に繋げることにある。

[研修先について]
 CRCMはフランス、マルセイユに位置する19の研究室を有する研究所で、基礎・臨床・トランスレーショナル研究が活発に推進されている。受入責任者であるDr. Duprezは正常・異常造血環境を制御するエピゲノム研究を行っている。過去の研究において、転写因子であるPlzf がHSCの細胞周期を制御することでその機能維持に関与しており、Plzfを欠損させると造血システムにおける加齢様表現型を誘導することを明らかにした (Vincent-Fabert et al., Blood, 2016)。さらに近年、Plzfはポリコームタンパク質のひとつであるEZH2と協調し、H3K4トリメチル化を制御することで転写活性を促進させることを明らかにした (Koubi et al., Nucleic Acids Research, 2018)。このように、Dr. DuprezはHSCの機能制御、加齢変化、そしてエピジェネティックな制御機構といった研究に関して世界トップレベルの成果を上げ続けている。

[研修で期待する内容]
 第一に、HSCの運命決定にポリコーム複合体がどのように関与するかというDr. Duprezの研究命題は申請者の研究テーマに重なっており、研修先のスタッフや学生たちと意見交換を行うことは非常に意義が深い。また、研修先では次世代シークエンサーを用いた解析を積極的に実施しており、in silicoの解析技術を学べることを期待している。
 第二に研修先では、申請者の所属する研究室では未導入の、微量サンプルである造血幹細胞を用いたH3K27のアセチル化 (H3K27Ac)のChIP-seq解析が活発に実施されており、その手技を習得することを目的にしている。申請者は既にHSCを用いて転写抑制に関わるH3K27me3とH2AK119Ub1の加齢に伴う変化について網羅的に調べ終えている。これらのデータに転写促進に働くH3K27Acの解析を加えることで、HSCの加齢変化をエピゲノムの視点から解明することが期待される。そこで、あらかじめ日本で若齢及び加齢 HSCをサンプリングし、研修先の技術を用いてH3K27Acを調べるChIP-seq解析を実施しデータを得ることを予定している。

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Cancer Research Center of Marseille (CRCM)

CRCM.jpg

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(報告書) 詳細はPDFを開いてご覧ください。

    4期生:栗林和華子

      LGS海外実習報告書(海外自主研修)マルセイユ.pdf


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